従来のArnoldレンダラではCPUが主流でしたが、近年GPUでのレンダリングに注目が集まっており、BlenderなどでもOptixやCUDA等、様々なシステムが出てきています。今回は、MAYA2022のArnoldレンダラを使用し、GPUレンダリングを試していきます。使い方や設定等を中心に、解説していきたいと思います。
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GPUとは
GPUとはGraphics Processing Unitの略称で、コンピュータゲームを代表とするリアルタイム演算に特化したプロセッサです。汎用的な処理が得意なCPUとは違い、GPUは画像処理に特化しており、とても高速な処理を行うことが可能です。
レンダー設定(GPU)
先ずレンダー設定で、ArnoldRenderタブを以下のように設定します。
- Camera (AA):3
- 以下の数値:2
- AdaptiveSampling:オン
- MaxCamera(AA):20
[System]タブは、以下の様に設定していきます。
- [Render Device]:GPU
- [Manual Device Selection(LocalRender)]>[Enable Manual Device Selection:オン
※GPUの型番によっては対応していないGPUも存在します。RTX2000番台、3000番台は対応していそうですが最新の4000番台は不明。
キャッシュを取得
次にキャッシュを取得していきます。ArnoldのGPUレンダリングはキャッシュ取得後に行います。※キャッシュし取得後でもマテリアル調整やライトの修正は問題無く可能です。
メニューバーよりArnold>Utilities>Pre-populate GPU Cache。
どのソフトウェアでも、キャッシュ取得には結構な時間がかかる場合があるので、気長に待ちます。
※キャッシュ取得後、新規要素の追加、既存要素の削除は控えましょう。場合によりますが折角キャッシュ化したデータが破損する可能性があります。
CPUとGPUのレンダリング結果
それではCPUとGPUのレンダリングスピードと、レンダリング精度を比較していきましょう。先ずCPUでのレンダリング結果です。(下記CPUでのレンダリング設定)
- Camera (AA):3
- 以下の数値:2
- AdaptiveSampling:オフ
[System]タブは、以下の様に設定していきます。
RenderDevice:CPU
レンダリングを行うと0.5秒ほどでレンダリングが完了しました。
ノイズが気になるのでレンダリング設定を見直していきます。レンダー設定のArnoldレンダータブで以下の要素を追加します。
- Adaptive Sampling:オン
- MaxCameraAA:20
再びレンダリングするとレンダリング時間は伸びましたが、影のノイズは綺麗になっています。
次にGPUでの結果を見ていきましょう。
※レンダー設定は先述のレンダー設定にてレンダリングしていくとかなり早い事が分かりました。
ただCPUレンダリングの時の結果と見比べると、ノイズの粒子が若干のGPUの方が荒い様です。
ノイズを抑えるため、サンプリング数を上げていきましょう。レンダー設定のArnoldレンダータブで以下の要素を追加します。
- Adaptive Sampling:オン
- MaxCameraAA:30
レンダリング時間は先程よりも長くなっていますが、CPUの結果と比べると綺麗にレンダリングされているのが分かります。
処理中のハード占有率について
タスクマネージャーにて、レンダリング中のハード占有率を見ていきましょう。CPU単体でのレンダリングでは、占有率100%近くまで跳ね上がっていますが、GPUレンダリングの場合半分ほどの40%あたりで抑えられているのがわかります。
GPUレンダリングではCPUの占有率を抑えれるため他のソフトウェアも普通に使用することが可能になります。
まとめ
GPUレンダリングはキャッシュ取得に時間がかかるものの、一度取得してしまえばその後の確認作業は大幅に時間短縮出来るのがわかりました。今回はMAYAにて説明しましたが、どの3Dソフトウェアにも関係しているので是非学んでみてください。
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