「ペイント」という機能はWindowsに付属している画像編集ソフトの呼称で、鉛筆や筆・エアブラシで手軽に絵を描くことができるもの。同じように平面で画像処理や絵を描いたりできるソフトはいろいろありますが、いずれにしても2Dでの作業になるので位置の判別などがわかりやすく、エンジニアやアーティストのイメージするものを直感的に表現することができます。
その対象が3Dモデルになると、基本は2Dの「ペイント」ソフトで「テクスチャ」を作成し、3Dモデルに「マッピング」をしたら「レンダリング」を施し確認。シワなどが発生したら、再度「マッピング」を修正し「レンダリング」を施し確認。この作業の繰り返しでした。作業中の立体像との整合性や位置関係がわかりにくい上に、何度も行う「レンダリング」処理が膨大な時間ロスを生み出していました。
「3Dペインティング」もしくは「3Dペイント」は、この2D上での「マッピング」作業と3Dモデルの確認を同時に進行できる機能のことを指します。
動画で紹介されているように、画面には3DモデルとUV展開されたモデルが同時に表示され、現状の作業状況がわかりやすいシステムになっています。UV上でペイントを施すと3Dモデルにもその作業が反映され、逆に3Dモデルにペイントを施してもUVに反映されるので、どこがどのように色づけされているのか一目瞭然になります。
ただし、動画のように正方形が対象の場合は「シーム」の入れ方も容易ですが、複雑な形状のモデルをペイントしようとした場合、どの角度で「シーム」を入れるかによっては作業効率が下がることもありますので、事前準備としての「UV展開」が重要になってきます。
同じように3Dモデルにペイントを施す方法として、「ポリゴンメッシュ」に直接「ペイント」を施す方法もあります。
こちらはバックグラウンドで「UV展開」の処理をした上での作業になるのですが、ほぼ立体に直接ペイントを施す感覚になりますので、かなり直感的な作業を進めることができます。
「3Dペインティング」では筆やエアブラシで色付けを行うこと以外にも、レイヤーで作成した「2Dテクスチャ画像」を「マッピング」していくことも可能で、「トポロジー」がしっかりしていれば「UVの継ぎ目」の問題も起きにくくスムーズな作業を行うことができます。また、エアブラシでぼかしなどの処理もできるので「テクスチャ」同士の継ぎ目も違和感なくつなげられます。
「テクスチャ」を張り付ける以外にも「ポリゴンメッシュ」上で凹凸を作成することもできます。この作業のメリットは「リトポロジー」で「モデリング」を軽くした場合、「3Dペインティング」で「ハイポリ」のように凹凸を表現し、軽量化した状態で3Dモデルを造形できるということです。「Photoshop」では2Dの「テクスチャ画像」を3Dテクスチャとして作成することもできるので、レイヤー自体に凹凸があることで「ローポリゴン」の状態でより「ハイポリゴン」の仕上がりを行うことができます。
また、ポリゴンの面にテクスチャを張り付けるだけではなく、3Dモデル全体に1枚のテクスチャを張り付けることもできます。調整作業やUV展開でかなりの熟練と時間が必要になりますが、画像を張り付けることでよりリアルな3Dモデルを造形することが可能です。