「トポロジー」で構成した「ポリゴンメッシュ」の面に画像などを張り付けることを「テクスチャマッピング」と呼びます。日本語では「肌理写像(きめしゃぞう)」とも呼ばれ、ワイヤーフレームの無機質な面に模様や凹凸の画像を張り付けることで、対象物の質感をリアルに表現することができます。「肌理」とはもともと織物の質感を表す言葉であったりもします。
建築パースでは「モデリング」作業に含まれる範囲で、初歩的な2次元の座標軸(X軸・Y軸)、もしくは3次元の座標軸(X軸・Y軸・Z軸)の中で位置を確定し、木材やレンガ・タイルなどの画像を張り付けていきます。この画像のことを「テクスチャ」と呼び、CGソフト内にもともと同梱されているものもあれば、それぞれの資材メーカーなどが無料で配布しているものもあります。
建造物などの角張った構造のもので、かつ視点が固定されているものであれば、2次元や3次元で容易に「マッピング」していくことができますが、ソファやカーテンなどのインテリアに動きを付けたい、観葉植物や複雑な形状の照明器具などをシームレスで動かしたいとなると、3次元の座標軸に「テクスチャ」を張り付けていくことが極めて難しくなります。
そこで3次元の座標軸を2次元に変換した「UV座標軸」を利用します。縦方向をU軸、横方向をV軸としているのですが、この「UV座標軸」を使った「マッピング」のことを「UVマッピング」と呼びます。
上記の動画では3次元の正方形を平面展開していますが、この変換作業を「UV展開」と呼びます。大抵の3DCGソフトでは「モデリング」で「ポリゴン」を「トポロジー」している間に、UV座標軸がバックグラウンドで自動設定されていますので、ボタン一つで簡単に「UV展開」することができます。洋服でいうところの型紙が自動で作られているイメージですね。
例えばCGでサイコロ(ダイス)を作ろうとした時、6面それぞれに「1~6」の点や図柄を施さなければなりません。視点が固定されているものであれば、表現したい面(3面)にサイコロの図柄を「マッピング」するだけで十分なので、隠れている残りの3面については作業をする必要がありません。しかし、3D表現でサイコロを転がすとなると6面すべてに図柄を張り付けなければ役目を果たせなくなります。そこでサイコロを「UV展開」して図柄を張り付けていく作業が必要になります。
この平面展開をする際に、どのように切り開いていくか指定することを「シームを付ける」と言います。サイコロであればそれぞれの辺が対象になりますが、円形であったり筒状のものであったりすると「シーム」を付ける位置によっては展開された図柄がわかりにくい場合もります。形状が複雑であれば、なおさらのことですので、そこには経験値も必要になってきます。
「UVマッピング」がとくに重宝されるのが「リトポロジー」された「モデリング」を「ローポリ」の状態で「ハイポリ」のように表現できることです。「マテリアル」や「テクスチャ」がシンプルなものですと「ローポリ」のカクカクした表現になってしまいますが、その精度が高いものを使用すると、ほぼ「ローポリ」の状態で「ハイポリ」のような表現をすることが可能です。
また、ソフトの機能によっては「UV軸」と「テクスチャ」を相互に関連させることが可能なので、イメージしにくい2Dの画面を3Dの画面と並べて作業を行うことができます。「シーム」を付けて展開して、「テクスチャ」を張り付けたら「3D」で確認するという作業がいっぺんに行えるので、作業効率が飛躍的に上がります。